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Sessou-no-ki : Sessou’s Blog
染織家・葛布帯作家 雪草のブログ

葛の採集地について

札幌まつりが開催され、私の葛採りシーズンとなりました。しかしここ数年、この時期に採っても短すぎたり弱すぎたり、要するにまだ若すぎる傾向があります。温暖化温暖化といい、雪解けが早いとか草木の生育が例年より早いとか、あちこちで聞きますが、葛に限っては逆のようです。
加えて、今年の札幌の、いつも採っていた場所が、随分荒れています。または、すでに大きく草刈りが入っていて、ついでに大木の雑木林も忽然と消えていたりして、驚きました。ヒグマが人里に出て来がちなことと関係しているのでしょうか。とにかく、昨年も少し思ったのですが、今年はさらに、採れる場所がなくて途方に暮れてしまう感覚があります。

荒れてしまったところは手入れをすればまた良い繊維が取れるようになりますが、河原や土手は公的な場所ですし、私有地でも、私が手入れできるほどの関係は築けていません。今年、余市で採らせていただける場所が3ヶ所もある事に、心から感謝します。もしも余市に行くことができていなければ、今年は材料の採取がうんと難しく、制作ができなかったかもしれません。

こういうことを発信すると、葛情報が寄せられてお気持ちが大変嬉しいのですが、葛は、ただ生えているからといって、何でも採れる訳ではなく、9割以上お断りする事になってしまうので申し訳なく思います。特に私のように事業としてやっている場合は、土地の所有者または管理者との関係を作ることが先決です。栽培をすれば良いではないか?そんな声も聞こえて来そうですが、様々な理由により葛は栽培するのは難しく、また、それは「葛」と「人」の関係からいっても筋ではないと思います。あるいは、葛がすでに生えている広大な土地を所有できれば良いのかもしれませんが…

長くなりました。
葛布の制作は私は社会的にも大変意義のある事だと思っています。よって、町内会はもちろんのこと、公的な場所にも怯まずにコンタクトを取っていこうと思っています。
そして改めて、余市の皆様、本当にありがとうございます。今年は余市での採取がメインになりそうです。どうぞ宜しくお願いいたします。

Thank you!
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