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Sessou-no-ki : Sessou’s Blog
染織家・葛布帯作家 雪草のブログ

体験と継続は別次元である

家の周りのクズも花が咲き始め、ススキは間も無く穂を出す雰囲気、札幌も気温が上がってきて、明日から天気も荒れ気味になるようだ。こうなると、今年の葛取りももう終わりだと感じる。

6月の末から始めた葛取りだが、この時期になると少し名残惜しいような寂しいような気持ちになる。特に毎回ススキを少しずつ足しながら整えてきたムロ(葛を発酵させる床)が、とてもいとおしく、別れ難い。

すすきの室の手入れは、ぬか床にとてもよく似ているとつくづく思う。最初の1度だけならば失敗する確率は低い。だが、同じムロを使って違う蔓、違う気候の中で、同じように良い品質を保つことを繰り返そうと思うと、そう簡単にはいかない。最初と同じように、あるいは習ったようにやっても同じにならない。すると、前回やったことがどこか間違っていたのかと考えるが一度しか経験がないから何が間違っていたか分からないから次に何をしたら良いのか分からなくなる。もう一度基本に忠実に、と思ってやってみたって、できたりできなかったりする。そうしたことを繰り返すうちに訳が分からなくなる。

一度だけの体験は入り口としては良いが、何度も繰り返し同じ事に取り組む事とは別次元なのである。

私がオンラインで双方向のコミュニケーションができる形での学べる場を開設しているのは、継続して取り組みたい方達を応援したいからだ。日々同じことの繰り返しでも、日々違うことが起こり、その都度迷う。そうした迷いに対して少しでもお役に立て、勇気づけられたらと思う。

Thank you!
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