製材した木と自然乾燥した木の違い、藍建て
ナラなどの硬い木はゆっくりと燃えるので火持ちがする、ちゃんと焚けば煤が出にくい、と言いますが、これはどうも「自然乾燥のもの」に限るようです。
同じナラ、もしくは他の硬くてずっしりと重い木でも、製材されたもの、恐らくは機械で乾燥されたものは、大量の煤を出してあっという間に高音になりあっという間に燃え尽きます。その様子はマツなどの針葉樹とまるで同じですが、高音さ加減がマツ類よりも急激で熱く、燃え尽きた後には形を保持したまま真っ白になります。まるであしたのジョーです。
何故なのかは分かりません。ただ、自然乾燥のものと機械乾燥のものでは、同じ樹種でももはや性質は全く別のものになっているということだけは確かだと思います。逆にマツ類は建材の端材などの方が薪ストーブには良いようです。自然乾燥のものだとよほど管理良く乾燥させていないと良く燃えず煤が出てストーブの中が真っ黒になるので難儀します。
藍建てでは、硬い木の灰の灰汁を用いますが、これも、製材された木の灰では、おそらく使い物にならないでしょう。建材としてはどうなのでしょうか。木の家、木の家具、などと言っても、耐久性や強度、経年による変化の様子は、自然乾燥のものとはまるで違うのかもしれません。
今、うちでは藍が建っており、加温せずに維持が出来ています。昨年の冬に自然乾燥のナラの灰を集めておいて、夏に仕込みました。
ナラがなぜ硬いのか?というと、育つのに時間がかかるからですが、私は自分が薪ストーブを使うようになる前は、こんなことすら知りませんでした。木と共に暮らすのならば、30年、40年、50年、物事をそのような単位で考えなければなりません。藍建てには硬い木の灰、と言って、そればかりを燃やすことには心が痛みます。最小限にして、小さな営みを続けたいと思います。
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